2012年4月8日

TEDxKyotoChangeに参加しました。

TEDxKyotoChangeに参加しました。

TEDとは米国の非営利団体により開催されているカンファレンスで、"Ideas Worth Spreading"という価値観のもと、世界各国、各分野でイノベーションを起こしている人たちが登壇し、それぞれ18分以内で講演を行うというものです。各講演はオンラインでも配信されており、世界の様々な問題について皆で議論をしていこうという活動をしているイベントです。

そのTEDの価値観をもとにしながら、世界各都市で個別に開催されているイベントがTEDxと呼ばれ、各イベントの独自性を活かしつつその土地ならではのディスカッションを生み出す場になればということで開催されているようです。そのTEDxが2012年9月16日、京都でTEDxKyotoとして開催されます。

また一方で、TEDがビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)と共同でスタートしたTEDxChangeというプロジェクトがあり、そこでは「ワクチン、ポリオ、マラリア、HIV/AIDS、妊産婦・新生児・乳幼児の保健、そして農業開発などといった世界的な福祉/環境問題」に絞ったトピックが議論されるそうです。

2012年、TEDxChangeは4月5日にベルリンで開かれたのですが、その様子を視聴する場として、またさらに9月に行われるTEDxKyotoのプレイベントとして、4月7日(土)、TEDxKyotoChangeが開催され、私も今回参加してきました。

完全招待制、参加には審査があるとのことで、自分が普段行っていること、今の社会で「変えたい」と思っていること等をフォームに入力して参加申請をしました。

当日はベルリンでのイベントをスクリーンで視聴したあと、ローカルのスピーカー三人の方の講演がありました。

どの講演も素晴らしいものでしたが、中でも印象的だったのは助産師の左古かず子さんの講演でした。助産師として働く中、妊婦さんたちが皆同じ方法で、分娩の時間をコントロールするための薬品が当然のように使われながらお産を迎えることに心を痛め、ご自身で助産院を開かれたそうです。人が生き方を選択するように、分娩の方法も、場所も、人も、妊婦さんが選択できるはずだとおっしゃっていました。赤ちゃんにはみな生まれてくる力があり、お母さんにもみな産む力がある、その自然の力と向き合ったお産という考え方が印象的でした。また、赤ちゃんはみな命がけで生まれてくる、だからお母さんもそれをしっかり受け止めてほしいというお話が心に残りました。

以前から社会問題、国際協力や開発に興味があって、講演会やワークショップがあれば出かけていたのですが、では自分は何をしたいのか、自分に何ができるのかが見えず悶々としていました。でも今日の話を聞いて、ひとつのキーワードが浮かんできました。それは「アクセス」。私たちはみな同じ地球上に住んでいるけれど、手にすることのできる食料、サービス、情報は全く違う。こういう選択ができたはずなのに、何らかの理由でそれが叶わない、それによって命が脅かされていたり自由に人生を選択できないとしたら?そういうことを改善することに私は興味があるのかなと。1を10や100にするよりも、0を1にすることに。でも以前、インドのカースト制の話で「生まれによって教育の機会が均等に与えられていないのはおかしいと思う」と友人に話したところ、それに疑問を唱えた友人と議論になったことがありました。平等の定義も文化によって異なるかもしれないし、何をもって「皆に公平なアクセスがある状態」なのかは一概には言えないかもしれません。

ですがこの悶々ももう少しで見えてきそうです。

講演の後はアフターパーティがあり、様々な職業の方、スタッフの方たちとも話すことが出来て、私も自分に出来ることをしなければと奮い立たせられました。
TEDは好きなので、イベント自体にももっと積極的に関われたらなあ!

おまけ:
オーストラリアにいた頃、「○○町××丁目」ではなく「○○通り××番地」というように「通り」がメインで住所の表記がされており、日本との見方の違いにずいぶん驚きましたが、それと全く同じことを話しているスピーチをTEDで発見しました。異文化理解について簡潔にまとめている、素晴らしいスピーチだと思います。
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